韓国で1200万人以上の観客を動員し、社会現象を巻き起こしたホラー映画『破墓（パミョ）』。
この作品は、恐怖演出だけでなく、韓国の伝統文化・信仰・社会問題を内包し、深いメッセージ性を持った異色のサスペンスホラーです。2025年現在、Amazonプライムビデオにて2時間13分のフル尺で見放題配信中。気軽に視聴できるとはいえ、心して臨むべき1本といえるでしょう。
果たして生き残れるのか！
登場するのは、巫堂（ムーダン／シャーマン）、風水師、葬儀師という一見バラバラな職業の4人。それぞれの専門性と価値観が絡み合い、“墓を掘り起こす”という禁忌の行為に挑みます。この儀式の中で、人間の欲望と霊的な力が激しく衝突し、観る者を底知れぬ恐怖へと誘っていきます。
主演は『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク、韓ドラファンにはおなじみのキム・ゴウン、名脇役ユ・ヘジン、注目の若手イ・ドヒョンという豪華布陣。彼らの圧倒的な演技力が、恐怖と緊張に満ちた物語をさらに引き締めています。
あらすじ：禁忌を破った者たちに迫る恐怖と報い
© KADOKAWA K+ / YouTube公式チャンネル 映画『破墓／パミョ』予告編より
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墓に隠された呪いと血筋の因縁
ファリム（キム・ゴウン）とその弟子ボンギル（イ・ドヒョン）は、ある旧家から“先祖の墓が原因で代々病にかかる”という相談を受けます。調査の結果、墓に強い邪気があると判明。ファリムは、かつての因縁や呪いの構造を読み解く中で、そこに眠る者の正体と過去の因業に気づき始めます。
風水師のサンドク（チェ・ミンシク）は、高額な報酬につられてこの案件に乗り出すが、同時に“墓に手をつけてはならない”という深い教訓を胸に抱えてもいます。葬儀師ヨングン（ユ・ヘジン）も加わり、4人は墓の掘り起こしと供養、再埋葬の儀式を同時進行で遂行する計画を立てます。
儀式とともに目覚める“何か”
いざ儀式が始まると、突如として奇怪な現象が連発。地面が揺れ、動物が凶暴化し、4人の精神も次第に蝕まれていきます。聞こえてくるはずのない声、写ってはいけないものが映るカメラ映像、失われる記憶——。
そして、次々と明らかになる恐るべき真実。かつて封印された何かが、彼らの行為によって目覚めようとしていたのです。
作品の見どころ：恐怖と社会性の融合
『破墓』が単なるホラー映画に留まらない理由は、韓国文化に根ざしたテーマを巧みに織り込んでいる点にあります。儒教的な倫理観、先祖崇拝、霊の鎮魂、金銭による信仰の腐敗——こうしたテーマが、“墓を掘る”という行為に複雑な意味を与え、観客の心理に深く訴えかけます。
また、宗教と科学、伝統と現代、信仰と金銭といった対立が作品全体を貫き、ホラーというジャンルを超えた“人間の本質”に迫る作品となっています。
キャスト紹介：演技派俳優たちの火花
チェ・ミンシク（風水師 サンドク役）
- 生年月日：1962年4月27日（63歳）
- 出身地：ソウル
- 学歴：東国大学演劇映画科
- 代表作：『シュリ』『オールド・ボーイ』『悪魔を見た』『LUCY』『カジノ』
圧倒的な存在感で風水師サンドクを演じ、霊的知識と人間的な葛藤のバランスを巧みに表現。重厚な語り口と目力だけで恐怖を伝えるシーンは必見。
キム・ゴウン（巫堂 ファリム役）
- 生年月日：1991年7月2日
- 身長：167cm
- 主な出演作：『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』『トッケビ』『シスターズ』
神秘的かつ理知的な祈祷師という難役を、繊細な表情と声のトーンで演じ切ります。女性の強さと脆さ、信仰と恐怖の狭間で揺れる姿に圧倒されます。
ユ・ヘジン（葬儀師 ヨングン役）
- 名作『タクシー運転手』や『コンフィデンシャル』シリーズなどでおなじみ。コメディとシリアスの間を絶妙に行き来する演技が光ります。感情が破綻するシーンでは、“人間の限界”を体現。
イ・ドヒョン（巫堂の弟子 ボンギル役）
- 若手注目株。『ザ・グローリー』『ホテルデルーナ』での活躍に続き、今作では未熟さと成長の過程を丁寧に演じ、物語にリアリティを添えています。
SNSの感想・評価
- 「『破墓』は今年一番怖かった！音響と映像の不気味さがやばい」
- 「ホラーというより人間ドラマ。信仰って何なのか考えさせられた」
- 「チェ・ミンシクとキム・ゴウンの共演が豪華すぎる。演技力が異次元」
- 「ホラー嫌いだけど最後まで観られた。重厚なストーリーがすごい」
- 「これ、夜に一人で見ると後悔するレベル」
こんな人におすすめ！
- 背筋が凍る本格ホラーを求める方
- 韓国の伝統信仰や文化に興味がある人
- 社会的テーマや倫理観の描写が好きな人
- 実力派俳優の演技に惹かれる人
- シャーマニズム×ホラーという独自ジャンルに関心がある方
まとめ
『破墓（パミョ）』は、恐怖を超えて“記憶に残るホラー”を体現した傑作です。人の心の闇、伝統信仰の崩壊、倫理を問う鋭い視点——そのどれもが観客に問いを投げかけます。
豪華キャストによる緊迫の演技、伝統と現代をつなぐ重層的な脚本、そして映像と音響による極限の演出が融合した本作は、まさに2025年必見の韓国映画。
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筆者の視点・感想
韓国映画『破墓（パミョ／파묘／Exhuma）』は、そのタイトルの通り「死者を掘り起こす」行為を軸に、人智を超えた恐怖と因縁が交錯するオカルトスリラーです。何より印象的だったのは、主演4人の俳優陣が織りなす圧巻の演技。思わず鳥肌が立つような緊張感が、最初から最後まで続きました。
チェ・ミンシク、キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョンという世代を超えた実力派の競演は、どこを切り取っても見応えがあり、それぞれが異なる“死者との距離”を持ちながらも、ある目的のもとに動く姿がリアルで、人間らしい弱さと信念が滲み出ていました。
特に、儀式や風水、先祖供養といった韓国文化ならではのモチーフがスリラーと融合しており、単なるホラーではない、深く重厚な世界観に引き込まれます。宗教的・歴史的背景が巧みに組み込まれているため、観終わったあとにも考えさせられる余韻が強く残りました。
目に見えない恐怖と、過去の罪、そしてそれを背負う覚悟。それぞれのキャラクターがそれにどう向き合うのかが非常にドラマティックで、特にクライマックスに向かう演出と音響は圧巻。心拍数が上がるような緊迫感に何度も息を呑みました。
“破墓”という行為の持つ禁忌に踏み込んだ今作は、観る者に「死」と「生」を問い直させる作品でもあります。韓国スリラーの真骨頂を体感したい方には、ぜひおすすめしたい一作です。
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