第4話「再会と動揺」

第4話では、亡くなったはずの初恋の相手・チュンサンに瓜二つの男性、ミニョンが突然現れることで、ユジンの心が大きく揺れ始めます。
彼女は建築設計事務所「ポラリス」に勤務し、サンヒョクと婚約したばかりでした。順風満帆に見えた二人の関係に、突如として現れた“過去の面影”が影を落とします。
婚約式当日、ユジンは街中で偶然チュンサンに似た男性を見かけます。彼の姿を一目見た瞬間、心が過去へと引き戻され、無意識にその男性を追いかけてしまいます。その結果、婚約式には出席できず、サンヒョクや親族に多大な迷惑をかけることになりますが、それでも自分の行動を止められなかったほど、彼女の心にはチュンサンの存在が根強く残っていたのです。
その後、高校時代の放送部メンバーの集まりで、チェリンが恋人として連れてきたのが、まさにあのミニョンだったことが判明します。
ユジンの心に走る衝撃は、単なる偶然では済まされないものでした。さらに驚くことに、ミニョンは彼女が担当しているスキー場改装プロジェクトを発注した会社「マルシアン」の理事であり、仕事を通じて今後何度も顔を合わせる相手であることが明らかになります。
混乱と動揺の中、ユジンはサンヒョクにミニョンのことを正直に話せず、苦しみながらも嘘をついてしまいます。かつての恋と現在の現実が交錯する中、ユジンの中で抑え込んでいた感情が少しずつ膨らんでいく――そんな緊迫感あふれる展開となっています。
第5話「交差する視線」

第5話では、ユジンとミニョンの仕事を通じた関係がさらに深まり、感情の揺れがより一層複雑に描かれていきます。ユジンはミニョンとの接触を避けるため、担当を外れるよう上司に申し出ますが、ミニョンが「担当はユジンでなければ契約しない」と条件を提示したため、その希望は叶いませんでした。
ユジンはプロとしての責任感から、表面上は冷静を装って業務に取り組みます。しかしミニョンの態度、仕草、話し方の一つひとつに、かつてのチュンサンの面影が重なり、心の奥に封じ込めていた感情が不意に浮かび上がってきます。
やがて二人は、改装予定のスキー場を視察するために一緒に出張することになります。山間の雪景色に囲まれた静かな空間で、ふたりきりで過ごす時間は、何気ない会話や沈黙すらも意味を持つようになり、心の距離が徐々に近づいていく様子が丁寧に描かれます。
ミニョンもまた、ユジンに対して特別な感情を抱き始めており、彼女が自分に何かを重ねて見ていることに気づいています。自分自身に記憶はなくても、どこか懐かしい感情が湧き上がってくるその不思議さに戸惑いつつも、彼女を惹きつけていく気持ちは次第に強くなっていきます。
視察の終盤、スキーリフトの上でユジンがかつての出来事を思い出して涙ぐむ場面では、過去と現在が重なり合い、視聴者にも深い感動を与える名シーンとなっています。
第6話「嘘と策略」

第6話では、サンヒョク、チェリン、ユジン、ミニョンの四角関係がさらに複雑化していきます。
ユジンはサンヒョクに対してミニョンとの仕事上の関係を打ち明けられず、苦しい胸の内を抱えたまま、何度も嘘を重ねてしまいます。その罪悪感とプレッシャーが、彼女をさらに追い詰めていきます。
そんな中、チェリンは自分の立場が危うくなっていることを察し、計算高く動き始めます。サンヒョクがまだユジンとミニョンの関係を知らないことを利用し、偶然を装って二人を同席させるように仕向けるのです。この計略的な行動は、彼女の不安と嫉妬を如実に表しており、女性たちの静かな戦いが幕を開けます。
一方、会社の飲み会で酔ったユジンを、ミニョンがホテルに連れて帰るという出来事が起こります。無防備なユジンを前に、ミニョンは何もせずにただ彼女を休ませ、朝まで見守り続けます。この行動に、ミニョンの誠実さと深い優しさがにじみ出ており、ユジンの心にも少しずつ変化が生まれていきます。
翌朝、ユジンはミニョンの誠実な対応に安堵しながらも、さらに彼を意識せずにはいられなくなります。心の奥底にある“忘れられない誰か”が、今まさに目の前にいるという事実に、戸惑いと期待が入り混じった複雑な感情が募っていきます。
改装工事が本格的にスタートする中、仕事に没頭しようとするユジンと、それでもユジンに対して真摯に向き合おうとするミニョン。お互いが抱える過去と現在の狭間で揺れる感情が、視線やしぐさの一つひとつに込められ、視聴者の共感を呼びます。
終盤では、マルシアンの創立記念パーティーにユジンが招待され、華やかな会場で再びミニョンと向き合うことになります。華やかな場での再会は、これまでとは異なる雰囲気を漂わせ、ふたりの関係に新たな緊張感と期待をもたらします。

まとめ
第4話から第6話にかけての展開は、『冬のソナタ』の本質ともいえる「記憶と再会」「現在と過去の交錯」というテーマが色濃く反映されたパートです。登場人物たちがそれぞれに抱える葛藤と揺れる感情が丁寧に描かれており、視聴者は自然と彼らの心の動きに引き込まれていきます。
青春時代の甘酸っぱい恋だけではなく、大人になってから向き合う恋の責任、過去の清算、そして未来への選択。そうした要素が重層的に描かれ、物語により一層の深みを与えています。
視聴者にとって最大の関心は、ミニョンが本当にチュンサンなのか、それとも別人なのかという謎です。その真相が徐々に明らかになっていく中で、登場人物たちがどのような選択をし、それぞれの愛にどう向き合っていくのか――続く第7話以降の展開からも目が離せません。






コメント