2025年5月末、実力派俳優ソン・ソック(Son Suk Ku/손석구)は、インドの有力英字メディア「Times of India」のインタビューに登場し、話題作『Heavenly Ever After』やキャリア初のバラエティ番組出演について、率直に語りました。遅咲きながらも圧倒的な演技力と唯一無二の存在感で注目を集める彼が、本作で見せたのは、まさに“俳優としての新境地”とも言える挑戦です。
この記事では、そのインタビュー内容をもとに、特に注目された3つのキーワードに焦点を当てながら、ソン・ソックという俳優の演技哲学や、これまでの成長の軌跡を深く掘り下げていきます。
『Heavenly Ever After』での挑戦
※動画は公式YouTubeチャンネル「SLL_official」『Heavenly Ever After』より引用
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元天使役で見せる繊細な表現力
『Heavenly Ever After』でソン・ソックが演じたのは、天界から追放された“元天使”というミステリアスで複雑な役柄。彼はこの役を演じる際、セリフの量を極力抑え、沈黙や視線の動き、呼吸の間合いといった非言語的な表現に感情を込めるという独自の手法を選びました。
「今回は目線や沈黙、間にすべてを込めた」と語る彼の演技は、外面的な演出に頼らず、内面の葛藤や揺れ動く感情を丁寧に映し出しており、観客に強い印象と深い余韻を与えました。
感情を抑えることで“伝える”演技へ
ソックは「感情をすべて出すのではなく、見る人に想像させる余地を残すことが重要」と語りました。この発言には、俳優としての表現哲学が凝縮されています。彼は“見せる”演技ではなく、“感じさせる”演技を追求することで、観客自身の内面に深く語りかけるスタイルを大切にしているのです。
そのため、演技の技術だけでなく、人物の背景や心の動きまで考え抜いた表現が見られ、俳優としての奥行きと信念がうかがえます。
作品全体を引き締める静けさの力
彼の演技の静けさは、作品全体のトーンを決定づける要素でもあります。台詞よりも間合いや空気感を優先した演技によって、ストーリーに重厚な緊張感とリアリティをもたらしており、ドラマの世界観に厚みを加えています。
バラエティ初挑戦の裏側
「素の自分」を見せる難しさ
2025年、ソン・ソックは自身初のバラエティ番組に出演。普段は役を通してキャラクターを演じる彼にとって、カメラの前で“素の自分”をさらけ出すことは大きな挑戦でした。
「どこまで自分を出すべきか分からず、非常に緊張した」と語る彼は、演技との違いに戸惑いながらも、自分らしさを模索しました。撮影現場ではあえて飾らず、無理に明るく振る舞うこともせず、等身大の姿で臨んだといいます。
演技にも活きるリアルな体験
このバラエティでの経験は、俳優としての演技にも新しい刺激をもたらしました。「完璧な自分ではなく、弱さも含めた“本当の自分”を受け入れることが、より深みのある演技に繋がる」と彼は語ります。
リアルな体験を通じて人間の多面性を学び、それを作品の中で表現に生かす姿勢は、今後の演技にも大きな影響を与えるでしょう。
ソン・ソックという俳優の魅力と信念
異色の経歴が生んだ深み
1983年生まれのソン・ソックは、アメリカでドキュメンタリー監督を目指していたという異色の経歴を持ちます。兵役後にはカナダでスポーツ選手を志すなど、演技とは異なる道を歩んできました。
その後、演技に目覚め、2016年に映画『ブラックストーン』で俳優デビュー。『Mother』や『私の解放日誌』などで存在感を放ち、特に『私の解放日誌』の“ク氏”役では、社会現象を巻き起こすほどの人気を得ました。
静けさに宿る圧倒的な存在感
ソン・ソックの演技の最大の特徴は、“静けさ”にあります。感情を爆発させるような派手な演技ではなく、沈黙や微細な表情変化、呼吸のリズムにまで意識を込めた表現によって、観る者の心にじんわりと響く演技を披露します。
彼の演技には常に芯があり、言葉に頼らない“余白”の演技が多くのファンに支持されています。
ソン・ソック プロフィール
- 名前: ソン・ソック(Son Suk Ku)
- 生年月日: 1983年2月7日(42歳)
- 身長・体重: 178cm・73kg
- 血液型: B型
- デビュー: 2016年 映画『ブラックストーン』
主な代表作
- ドラマ: 『Mother』『私の解放日誌』『D.P.』『カジノ』『殺人者のパラドックス』
- 映画: 『ブラックストーン』『恋愛の抜けたロマンス』『犯罪都市2』
演技に対して常に真摯であり続けるソン・ソック。彼の作品には、決して派手ではないが確かな“深み”と“重み”があります。『Heavenly Ever After』での新たな挑戦は、彼のキャリアをさらに豊かにし、観る者の心に深く残る新たな代表作となりました。これからも、彼の“静かな進化”とその先にある表現の世界から目が離せません。
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■筆者の視点・感想
ソン・ソックさんといえば、筆者の中ではやはり『智異山(チリサン)』での出演がとても印象に残っています。大自然の中で繰り広げられるミステリアスな展開の中で、彼の存在感は一際際立っていました。
登場シーンは決して多くはありませんでしたが、その一つ一つの表情やセリフに、彼の演技力と内に秘めた強さがにじみ出ていて、見る者の心にしっかりと残ります。特に、静かな中に張り詰めた緊張感を湛える表現には引き込まれるものがありました。また、ドラマ全体が壮大なスケールで描かれている中で、ソン・ソックさんのキャラクターが持つ人間味や弱さが、物語にリアリティを与えていたとも感じます。
筆者としては、『智異山』をきっかけに彼の演技に興味を持ち、他の出演作品もチェックするようになりました。これからの活躍も非常に楽しみな俳優さんの一人です。



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